各種資料を見ると群馬県では、2亜種のコルリクワガタが棲息しており、北部のものは原名亜種、南部のものはトウカイコルリとされています。
2003年12月に群馬県中部(やや北部寄り)でコルリの成虫(1♂)と幼虫16頭を採集したのですが(採集記)、採集した幼虫が全て無事に羽化したことから、どちらの亜種に近いものか検してみました。
6.1 成虫
2003年5月に群馬県北部にて、新芽で採集したコルリクワガタ♂と2003年12月に中部で採集したコルリクワガタ♂の外観は次の通りです。
北部産は県境を挟んだ新潟県や福島県で普通に採れる個体と同様、青味が強いのに対し、中部産は、山梨や東京で採集した平均的なトウカイコルリの緑色が強い傾向がありました。
一般的に、トウカイコルリクワガタは、コルリクワガタ(原名亜種)に比べて、
@やや小型の個体が多い。
A胸部の張り出しが弱い。
B緑色の強い個体が多い。
と言われていますが、ルリクワガタ属は大きさ、色調共に個体差が大きく、1♂だけの比較では亜種の同定をすることは不可能と思われます。
6.2 幼虫採集羽化個体(F0)
2003年12月に中部で採集した幼虫16頭は、60ccプリンカップでのマット飼育で、2004年6月に11♂+5♀として全頭無事に羽化しました。
♂の色調を比べると、平均的な原名コルリ並みに青味の強い個体が7頭、平均的なトウカイコルリ並みに緑色の強い個体が2頭、その中間的な色調のものが2頭となっていました。
これまで、福島や新潟で緑色の強い原名亜種を採集したことがありますが、今回の群馬産ほど緑色は強くありませんでした。
今回の結果を見る限り、群馬県中部産のコルリクワガタは原名亜種の傾向が強い感じです。
ただ、トウカイコルリの傾向が強い個体が、新潟産や福島産より多いのも事実。
亜種は交雑・累代が可能なはずなので、やはり亜種境界は厳密に線引き出来る様なものではなく、連続的・傾斜的に特徴が変化するのでしょうか?
この結論を出すには、今後も、群馬県周辺でのコルリの採集を続ける必要がありそうです。