8.ニセコルリクワガタ

 2004.10.20、四国御在住のクワムラヤさんより5月のミナミコルリクワガタに続いて、今度は徳島産ニセコルリクワガタの♂♀成虫と幼虫をいただきました!!!
 いずれも10月に、材採集された個体です。

8.1 ♂成虫
 ♂成虫は、ミナミコルリクワガタより緑色の傾向が強く、上翅の横シワが少ないことから、光沢が強い印象を受けます。
 また、ニセコルリクワガタの特徴のひとつである前胸板前側の突起が、目視では画像以上はっきりと確認出来ます。


左から、ミナミコルリ(青系:香川産F0)、(茶系:徳島産F0)、ニセコルリ(徳島産)


左:ニセコルリ、右:ミナミコルリ(青系)

 色調的に、平均的なトウカイコルリやルリに似ていますが、やはり上翅のツヤの状態や体形が明らかに違います。


上:ニセコルリ、下:トウカイコルリ(山梨産F0)
ニセコルリはスマートで、光沢があります。

 
左:原名ルリ(福島産F0)、右:ニセコルリ
ルリは大顎が大きく、上翅の縦条が強い


8.2 ♀成虫(背中の色)
 ニセコルリクワガタの♀成虫は、コルリに比べると緑色の傾向が強く、上翅の光沢が強い(皺が少ない)ことから、ホソツヤルリの♀に近い印象を受けました。
 でも、並べてみると、ホソツヤルリ♀よりは茶色が強い印象があります。
 また、画像では表現できませんが、前胸の形状も、全然違います。


左:ホソツヤルリ(山梨産F0)、右:ニセコルリ

原名コルリクワガタと並べてみると、緑色が強く、光沢もあります。


左:原名コルリ(群馬産WD)、右:ニセコルリ

ミナミコルリクワガタと並べてみても、やはりその差ははっきりあります(画像以上)。


上:原名コルリ(群馬産WD)、中:ミナミコルリ(徳島産F0)、下:ニセコルリ(徳島産WD)


8.3 ♀成虫(腹側の色)
 ニセコルリの腹側の色にも特徴があるようです。


上:ホソツヤルリ(山梨産F0)、下:ニセコルリ(徳島産WD)


左:ニセコルリ(徳島産WD)、右:原名コルリ(群馬産WD)


左:原名コルリ(群馬産WD)、中:ニセコルリ(徳島産WD)、右:ミナミコルリ(徳島産F0)


左:ニセコルリ、右:原名ルリ


 以上のように、ニセコルリクワガタは♂も♀も他のルリクワガタ属とは明らかに違いがあります。
 特に混棲地域もあるミナミコルリクワガタの♀とは、想像以上の差がありました。
 1980年代後半に新種として記載されたのが信じられない位です。

 
今後は、紀伊半島産、九州産ニセコルリも手にしてみたいと思いました。
 クワムラヤさん、本当にありがとうございました。

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